CHOOSEBASE SHIBUYA

    空間・ブランドプロデュース
東京都渋谷区

Q. 渋谷の百貨店における、未来の消費のあり方とは?

CHOOSEBASE SHIBUYA

お客さまの“選ぶ”を提示する新しい形の百貨店

西武渋谷店パーキング館1階を改修し、「モノを買う」のではなく、「意味に出会い、意志を買う」という次世代の店舗のあり方を提案したい。そごう・西武が、百貨店ならではの編集力を生かした売り場で、未来の小売ビジネス創出へのチャレンジを始めた。Fabric Tokyo・カンカク・ROUTE06・arcaらと共にこのプロジェクトの体験設計・空間演出を担うパートナーとして、私たち水星にも声が掛かった。
渋谷という大都市の中で、お客さまがより自分らしい選択肢を発見できるような店舗はどんな場所なのか。ただ買い物をするだけではなく、ある1つのテーマに沿ったいろいろな選択肢を知ることができる、メディアのような存在。商品についての情報はもちろん、目では見えない思いや背景なども含め提示した上で、購入の選択肢を消費者に委るというチャレンジができうる店舗の発想の芽が生まれた。

A.百貨店店舗も「空間型メディア」である

百貨店店舗も「空間型メディア」である

様々な情報やもの、ことが集まる中継地点としての店舗

土台となっているのはわたしたちがホテルを作る際に大事にしている「ホテルはメディアである」という考 え方。本プロジェクトのクリエイティブディレクター・arca 辻氏の「未来の“選ぶ”を提案する」という キーワードに共感し、百貨店店舗を「社会の選択肢を作る空間型メディア」だと捉えた。店舗も私たちが作 りたいホテルと同じようにただの売場ではなく、お客さまに何かを伝えたり実感してもらえる場となりえる可能性が考えられる。切り替わるテーマに沿ってブランドを集めるという新しいMDに合わせ、できるだけ直感的かつPOPに伝わるテーマを捉えることで、これまでの百貨店イメージを刷新する、意志を持った売場空間が完成した。

時代に合わせてあらゆる価値観を肯定する売り場へ

あらゆるブランドを扱う場所としての「百貨店」を捉え直すテーマ設定を。そもそも、百貨店で起こる物語は「ギフト」でできている。 "選ぶ"を体験のキーワードに置くCHOOSEBASE SHIBUYAが、それぞれのブランド1つ1つにフォーカスする大きな手段として「ギフト」を選んだ。 だからこそ、ここは普通のギフトショップではない。さまざまなギフトが飛び交う空間から、社会に新たな価値観が生まれてくる場を目指して、社会性と文化性を取り入れた唯一無二のテーマ設定で、メディアと空間が連動している売り場をつくり上げた。

西武渋谷店の次世代型セレクトギフトショップ CHOOSEBASE SHIBUYA(チューズベースシブヤ)
西武渋谷店の次世代型セレクトギフトショップ CHOOSEBASE SHIBUYA(チューズベースシブヤ)
クリエイティブユニット・MELTedMEADOWとデザイナー・KYOKO TSUDAによる、新たな編集テーマのアートワーク。
クリエイティブユニット・MELTedMEADOWとデザイナー・KYOKO TSUDAによる、新たな編集テーマのアートワーク。
クリエイティブユニット・MELTedMEADOWによる、新たな編集テーマのアートワークを用いた空間演出。
クリエイティブユニット・MELTedMEADOWによる、新たな編集テーマのアートワークを用いた空間演出。

1つのテーマの中で日々更新されつづける店舗空間

2022年は、それぞれのブランドの物語や価値観からインスピレーションを受けた色から選ぶギフト体験を基軸に「gift your color / 何色にしよう。」を提案。2023年以降は半歩先のギフトショップを切り口に「なんでもないひに / ザ・シブヤギフト」と題し、新たなギフトストアのあり方を提案。当ストアの特徴である「D2Cブランドの商品が手に取れる」「オンラインとオフラインの融合」「商品の背景を伝える仕組み」と合わせてギフトの選び方、贈り方を提案するという要素を追加。商品の良さや個性をより光らせるために、アップデートし続けることで、リアルの店舗の様子とデザインの化学反応を捉えながら、新しい店舗のかたちを模索し続けている。

全ブランドひとつひとつを読み解き、色を用いたグラフィック・コピー・詩を表現したカードを作成。
全ブランドひとつひとつを読み解き、色を用いたグラフィック・コピー・詩を表現したカードを作成。
新しく売り場に登場するブランドをまとめたパンフレットや、オウンドメディア内の記事を店頭でも読むことができる小冊子を作成。
新しく売り場に登場するブランドをまとめたパンフレットや、オウンドメディア内の記事を店頭でも読むことができる小冊子を作成。
メインテーマを踏襲しつつも、クリエイティブの方向性を大きく変え、メディアとしての店舗の可能性を高めた。
メインテーマを踏襲しつつも、クリエイティブの方向性を大きく変え、メディアとしての店舗の可能性を高めた。
12ヶ月に渡り、売り出し商品に合わせたイラストや動画を作成し、店舗と連動して展示を展開
12ヶ月に渡り、売り出し商品に合わせたイラストや動画を作成し、店舗と連動して展示を展開

あたりまえに縛られないカジュアルなギフト体験を

楽しんでもらえるポップな体験型購買のあり方が、洞窟の中から宝物を探し出すような空間体験と相まって、これまで百貨店が取り込めていなかった渋谷の若年層で店舗は賑やかだ。テーマに沿って商品やブランドが切り替わっていくお店は訪れるたびに表情を変える。なんでもないひに贈り物をしたくなるような誰かの気持ちを大切にしたい。日常にギフトが溢れ、ギフトを通じて、誰もが気軽に感情や価値観を伝えられる世の中をCHOOSEBASE SHIBUYAとともに模索し続ける。

文責:木村由佳

INTERVIEW関係者インタビュー

CHOOSEBASE SHIBUYA ディレクター伊藤 謙太郎 様

感性と合理が融合したクリエイター

以前に水星さんのホテルにお邪魔させていただいた際に、「その土地や時代の空気感を織り込んだホテル・場所づくり」が素敵だなという印象があり、ご一緒したいと思いました。CHOOSEBASE SHIBUYAという、「まだみぬ新しいストアを創る」という大胆なプロジェクトにおいても、らしいクリエイティブの提案に留まらず、合理的な側面も持ち合わせたアイデア・アウトプットをいただき、プロジェクト成功に向けて「寄り添うパートナー」だと感じることが多々ございました。

COLUMN担当者コラム

編集者角田 貴広

生活のど真ん中で、新しいライフスタイルに出会うということ

ホテルが非日常なのかどうかというと両論あるだろうが、これまで水星が提案してきた「宿泊体験を通じて新しいライフスタイルとの出会いを提供する」という大きなコンセプトを、より日常に近いショッピングというカテゴリーで実現しようと模索したプロジェクトだった。ただ商品を見て買うのではなくて、さまざまな視点・さまざまな媒体を通じて、商品がある暮らしやその背景にあるストーリーを伝える。小売という場所でできることはまだまだ無限にあるのかもしれないということを、日々の運営と向き合う中で感じている。

INFO

クライアント

株式会社そごう・西武

ブランド

CHOOSEBASE SHIBUYA(チューズベースシブヤ)

所在地

東京都渋谷区宇田川町21−1 西武渋谷店パーキング館1階

時期

2020年6月〜

公式サイト

https://choosebase.jp/

SCOPE

  • コンセプト策定
  • 空間デザイン
  • 体験コンテンツ設計
  • ロゴ・ネーミング制作
  • アドバイザリー

CREDIT

  • プロデューサー龍崎 翔子
  • エディトリアル・ディレクター角田 貴広
  • プロジェクトマネージャー木村 由佳
  • ディレクター松田 早也香
  • デザイナー坂本 彩音

PARTNER

arca MELTed MEADOW moi.
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